2024/03/12 18:24

国会に足らざるもの

 自分が長い間書いてきたブログを整理しておこうと思ったら、最初からもう一度読みふける羽目になってしまいました。『桐』というデ

タベースで開発した中小会社の会計ソフトと、個人事業者のための会計ソフトのマニュアルすべてをブログに公開していたのでその部分は

除外しました。また老々介護の5年間の記録部分もカットしました。残る部分の大半は、政府の財政再建への願望であり、もう一つは「自

分の力で考えよう」というテーマでした。なにげない老いの生活の文章もありますが、その中にさえもその二つの思いが祈るように入って

しまったようです。ただ文章が長すぎたり、重すぎたり、客観的に自分で批評すると、「あなたの文章は、気持ちはわかるけれど、そんな

にくどいと読む人には苦痛よ。」と自己批判に該当する部分などについてはなるべくシンプルにしたいと訂正のペンをとったところもいく

つかありました。自分の人生を締めくくる大切な記録なのですから。

 そんなかたわら、テレビでは自民党安倍派の『裏金問題』で三か月近くも揺れ動く国会を目にしています。なぜこんな問題にだらだらと

結論を出すことも出来ず、手間取るのか国会の弱弱しさがいつもにもまして目につくようでなりません。

 しかし、私は大切なことに気がつきました。煮え切らない国会の、迫力のない根本原因の一つには、与野党にとって論戦の後ろ盾となる

大事なものが与えられていないからだという結論に達しました。 確たる政府の財務諸表です。

 民間企業の経営者は、自社の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、などの財務諸表を作成することはできなくとも、少なくとも読

み取ることはできます。それが自社の真実の姿そのものだからです。そこから自社の現状を把握し、問題点、反省点、将来への計画、その

手段等すべてが導きだされるからです。だからこそこの世界的難局の中にも打開の灯がみつかるのではないでしょうか。

国家と民間は立場が違うとよく言われますが、複式簿記上ではそんなことがある筈がありません。勘定科目など民間企業との具体的仕組み

の違いについてなどは、優秀な公認会計士さんなどにとっては、簡単なシステムづくりであることに違いありません。日本の政治家にはそ

うした活動の基本となるデータが与えられず、官僚が徹夜で書いたような国会答弁用の分厚い原稿をもって、マイクの前で棒読みするばか

り。対する野党も、問題の核心を科学的にとらえあぐね、質問書を棒読みするばかり。

どうして国は貸借対照表、損益計算書、剰余金処分計算書などの財務諸表を公開できないのでしょうか。国の全貌が一目でわかる方法をと

らないのでしょうか。はっきりしているのは、国会議員は会計がわからず、経済がわからず、財政がわからないと断ぜざるを得ないのもこ

こが原因ではないでしょうか。財源について、これからどうなるのか、具体的に議論を聞いたことはありません。何度も何度も述べてきま

したが、今後十年をかけて政府をはじめ、公的機関のすべてに複式簿記を基本とする会計制度システムを導入されることを提言致します。  

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