2024/01/11 16:27
人手不足その二(老化と認知症)
介護施設の人手不足を考えるとき、どうしても避けて通れないのが認知症の問題かと思います。誰がいつ罹るかわからない。どんなに頭のいい人でも罹らないという保証はありません。老いと繋がっているかのように感じられる不安の種でもありますね。私も今こうしてブログの原稿を書いている時、忘れたりあやふやな漢字の多いのに、何度も辞書をひらきながらビクビクしています。間違いなく老いの進行をみるようで。そういえば少し前は一人暮らしであっても三度の食事は自分で作っていたものでした。今はおいしい宅配弁当や、スーパーの至れり尽くせりの出來合品に随分お世話になっています。だんだん無精になっている自分を、なんとなく危ないと思いながら。
今の時代、考えてみると私たちはとても難しい環境にいると思います。昔とは比較にならない程『便利』な生活になり、たしかに幸せになりました。しかしその代償として何を失ったのでしょう。自分で考えたり、努力する力が一番大きいのではないでしょうか。無意識の中でそれがそのまま認知症に繋がってしまう部分もないとはいえません。
たとえば【スマホは脳をどこまで壊すか】という研究が[川島研究室]というところから出版されています。特に子どもや若者の学力低下に、どれだけスマホがあずかっているかの詳しいデータも書かれています。
更に、パソコンで簡単にみつけた正しい漢字と、苦労して辞書から捜してみつけた正しい漢字が、同じ漢字でも脳の中で記憶する深さは全く違うとも研究は述べています。
たしかに脳は、休ませると劣化すること、バランスよく活動させることが大切であることは誰にも理解できることです。逆にそう考えれば私たちが認知症から遠ざかるように自分でコントロールできる部分も大きい筈です。その一つの方法は、自分の頭で考える癖をつけることではないでしょうか。そしてそれは決して難しいことではありません。
どうしてだろう? こうなった原因はどこにあるのだろう? もっといい方法はないだろうか? おかしいなあ? 不思議だなあ ………
そんなごく身近のことを考え抜く力といえるでしょう。私は、毎日たった一つの小さい発見と改善を自分自身に義務づけています。
便利さや、流行や、世の中の体制にただ流されて、自分を見失うことがないように、老いても本当の自立生活をみんなで楽しみましょう。そう心掛けることで、せめて認知症を少しでも減らしましょう。それも介護施設の人手不足の改善に一役貢献できることではないでしょうか。みんなで考えましょう。 2024年01月11日