2023/04/08 10:07

個人事業経理会計(4)メニュー⑧データの作成➁

1.試算表の作成

 1-➀ 基本試算表

試算表は総元帳から自動作成されます。一番基礎的なデータであり、また総合的なデータでもあります。すべての仕訳が[借方]と[貸方]に分類されて、記録計算された一覧表です。

形式は次のようになっています。

[借方繰越金額]=[貸方繰越金額]

[借方金額]=[貸方金額] いつから いつまでと指示した期間のデータです。

[借方残高]=[貸方残高]

 借方合計 = 貸方合計

借方科目=[借方繰越金額]+[借方金額]-[貸方金額]=[借方残高]

貸方科目=[貸方繰越金額]+[貸方金額]-[借方金額]=[貸方残高]

 以上のように基本試算表は、総枠組みを表現するもので、このままで損益を把握することはできません。そこで基本試算表から損益計算試算表と資産負債試算表を別途に分割させました。すべてソロバンと手書きであった時代は、借方合計と貸方合計の一致、不一致に多くのエネルギーを費やしました。

 1-➁ 損益計算試算表

損益計算書と考えます。損益計算試算表は収入が基礎になります。[収入]―[原価+経費]=[利益]となりますね。当年利益の場合も、当年損失の場合も、貸方部分は動かさず、[当期利益]や[当期損失]の金額は借方部分で調整しました。

[借方残高][貸方残高]にはそれぞれ[対売上高比率]を計算してあります。

1-➂ 資産負債試算表

貸借対照表と考えます。資産合計が基礎になります。[資産]―[負債+元入金]=[利益]となります。当期利益の場合も、当期損失の場合も借方部分(資産合計)は動かさず、[当期利益]や[当期損失]の金額は貸方部分で調整しました。[借方残高][貸方残高]にはそれぞれ[対総資産比率]を計算してあります。

総資産額は[借方残高]の合計です。

当期損益の用語

当期利益の場合は[当期利益]

当期損失の場合は[当期損失]

当期損益0の場合(滅多にないでしょうが)は[当期損益]と明確にしました。

 

[結 論]

損益計算試算表と資産負債試算表の[当期利益]または[当期損失]は同額である。

これは何を意味するのでしょうか。そこをきちんと理解することが非常に大切です。損益計算試算表の損益金額は、資産負債試算表の損益金額によって保証されていることになります。損益計算試算表の計算結果が正当であることを証明しています。これが複式簿記の結果です。