2023/03/22 10:00

個人事業経理会計()複式簿記仕訳のまとめ

複式簿記の仕訳をここまで勉強をしてきたので、最後にこんなことを知っておくと、とてもシンプルな気持ちになります。

シンプルになるという表現は、当たるか当かどうかわかりませんが、いままで掴みどころがなかった複式簿記の正体が

わかってしまって、肩の荷を下ろした、そんなところでしょうか。


複式簿記仕訳のグループ分け

今まで勉強してきた16仕訳は、その性格によって三つのグループに分けることができます。

第一グループ 

資産と負債の相手グループが損益のグループであるもの。

仕訳例 資産の増加 利益の増加  利益の増加は資産の増加をもたらす。

仕訳例④ 資産の増加 損失の減少  損失の減少は資産の増加をもたらす。 

仕訳例 負債の減少 利益の増加  利益の増加は負債の減少をもたらす。

仕訳例⑧ 負債の減少 損失の減少  損失の減少は負債の減少をもたらす。

仕訳例⑨ 利益の減少 資産の減少  利益の減少は資産の減少をもたらす。

仕訳例⑬ 損失の増加 資産の減少  損失の増加は資産の減少をもたらす。

仕訳例⑩ 利益の減少 負債の増加  利益の減少は負債の増加をもたらす。

仕訳例⑭ 損失の増加 負債の増加  損失の増加は負債の増加をもたらす。

 この8仕訳は何を訴えているのでしょう。

まず資産の増加と負債の減少は、中身において同じことだと考えていいでしょう。

読み替えれば、資産の増加、または、負債の減少となります。

次に、利益の増加と損失の減少は、中身において同じことだと考えていいでしょう。

読み替えれば、利益の増加、または、損失の減少となります。その読み替えを前提として。

結論は、1.資産の増加または、負債の減少には、利益の増加か、損失の減少の他には手段はない。

    2.利益の減少または、損失の増加は、資産の減少または、負債の増加を必然的にもたらす。

これこそ私達が知り尽くしながら、なおうろうろと迷うことを科学的に宣言したと思います。

 第二グループ 

借方も貸方もすべて資産負債科目です。簡単に言えば、資産負債のやりくりと考えましょう。

正味の財政状態には、何の影響もありません。次の4仕訳です。

仕訳例 資産の増加  資産の減少 例えば、資産の買い替えや交換など。

仕訳例 資産の増加  負債の増加 例えば、借金で資産を増やした。

仕訳例⑤ 負債の減少  資産の減少 例えば、資産を売却し負債を返済した。

仕訳例⑥ 負債の減少  負債の増加 例えば、借金の借り換えをした。

結論は、得たものと、失ったもの、その貸借バランス。効果性、合理性などを注意しましょう。

第三グループ 

借方も貸方もすべて損益科目です。正味の財政状態には、何の影響もありません。次の4仕訳です。

仕訳例⑪ 利益の減少 利益の増加  例えば、売上返品値引き 売上

仕訳例⑫ 利益の減少 損失の減少  例えば、 雑収入  売上値引返品

仕訳例⑮ 損失の増加 利益の増加  例えば、 仕入運賃 仕入高

仕訳例⑯ 損失の増加 損失の減少  例えば、福利厚生費 接待交際費

結論は、勘定科目の訂正などが多いと思います。

以上で複式簿記貸借の仕訳について、実務上も交えて勉強してきました。

ほんとうにご苦労さまでした。実務の前の予備的勉強でしたが、実務メニューの伝票の入力では、

非常な力になると信じています。