2022/10/30 14:43
岸田首相の礼答がほしかった
前回の稿で野田元首相の故安倍元首相に対する追悼演説について書きました。
私はあの会場で、行事予定には入っていなかったかもしれないけれど、岸田首相が、
自民党総裁として、返礼の言葉を述べられなかったことをとても残念に思いました。
私の思った返礼の要旨は野田元首相の追悼演説のこの部分に対してです。
『長く国家のかじ取りに力を尽くしたあなたは、歴史の法廷に永遠に立ち続けなけれ
ばならない。安倍晋三とはいったい、何者であったのか。私はあなたのことを問い続
けたい。あなたが放った強烈な光も、その先に伸びた影も、言葉の限りを尽くして問
い続けたい』。もし『自分も総理大臣として同感でありそうありたい』と述べられた
ら、岸田首相の支持率は上昇しただろうと私は思います。親安倍政権の人たちも、反
安倍政権の人たちも納得させられたのではないかと。岸田首相の政権運営も少しは
楽になったのではないかと。私はそこに希望を抱いたものでした。が残念でした。
再び国会での無毛のような議論が始まっています。岸田首相は旧統一教会の問題で、
やれ任命責任だ、やれ議長の退任要求だ、と足腰を取られている状況にみえます。
そしてこの問題の本質を鋭くえぐる質問がないのが心配です。
そうした中、150円という円安に突入し、岸田政権のあまりにも乱暴な税金の
使い方には、脅威をさえ感じるようになりました。政府と日銀のちぐはぐな対応
も目にあまります。私が数年前から不信感を述べ続けてきた年金の不安にも、遂
に手をつけられるようなところまできました。まず5年間の納付期間延長だとか。
イギリスの新首相は堂々と財政再建を宣言し、国民にも協力をよびかけました。
ああ、なんと羨ましいことか。
2022年10月30日 川口 翠