2022/10/09 20:25

本質に光をあてる

狭い部屋に扇風機とストーブが並んで鎮座まします様子に笑ってしまいました。

三日間にわたる国会も終わりました。憮然たる思いで何をする気にもなりませんでした。

そんな中、ノーベル平和賞。ウクライナとロシアの人権4団体が輝きました。なんと素晴

らしいことでしょう。ここに物事の本質に光をあてる人たちがいるのだと実感しました。

世界中の人たち。たとえどんな考えを持ち、どんな環境にいても、きっと胸ゆすぶられる

ものがあっただろうと思いました。やはり希望はあると。ノーベル賞選考委員会の皆様に

ノーベル賞がふさわしいとさえ思いました。これがぜひ戦争回避のきっかけになって欲し

いと切に願います。

 

なぜか生きている間にぜひ読み直したいとの思いに駆られていたのがロジェ・マルタン・デュ・ガール

チボー家の人々なのです十代の頃一度読んだのですが、あまり深く理解できず、途中

でやめてしまい記憶に残っていません。8月のはじめ、図書館に借りに行ったら文庫本で

13部に分割されていました。執筆から世に出るまでに14年間の年月があるそうです。

華麗なラブロマンス小説かと思えば、緻密な歴史小説であり、哲学書、宗教書でもあり

ます。しかもあまりに深奥に触れているので、私には概略を説明する力はありません。

ただ自分には全く無縁ではないような、そんな気がします。きのう借り換えてきたのは

9巻目で1914年夏Ⅱです。解説の冒頭には、第一次世界大戦は1914728日、

オーストラリアとセルビアの間に勃発する。とあります。だんだん読み進める時、ふと

歴史は繰り返されるそんな雰囲気の漂いを感じることもあります。私は噛り付くように

日々読み耽っています。

20221009日  川口 翠