2022/10/07 17:23
国会論戦2日目
内閣総理大臣の施政方針演説と、各党の代表質問を二日間テレビで見ました。
こんなにじっくり国会中継をみたのは初めてです。私が一番気になっていた財政の問題と、
緊急の課題『円安』についての発言は、結局どこからもありませんでした。
私は自分の気持ちをもてあまし、テレビのスイッチを切って近くの喫茶店に行ってみまし
た。“マスタ―の決断”というテーマでこのブログにも書いたK喫茶店です。
ドアは開け放たれ、店内は5時閉店の時間近いのに、椅子は殆んど埋まっていました。
K喫茶店は去年の8月突然閉店し、今年8月20日漸く開店しました。1年ぶりです。
その間マスターは98歳の認知症の母親を見送り、自分は突然発見された大腸がんの緊急
手術をし、その後放射線治療に通う身なのです。
『静かに治療しているだけでは、自分には何もありません。皆さんと話しているだけで
生きている甲斐があります。がん位に負けて、たまるかと思っているから元気です』と
彼は言います。幸せなことに、前からバイトでいた男性がそのままずっと身近にあって
カウンターの中で活躍していますし、一人暮らしのマスターの通院にも寄り添う姿に、
私は「Kさんありがとうね」と言わずにはいられません。開店祝いにはお花が山のよう
に届けられていましたが、今も客足は以前以上。凄いなあと感動します。コーヒーなど
の値段は前よりかなり安くなっているので私が「なんでも物価高なのにお値段は下げて
大丈夫?」と心配すると「お客さんも皆大変で一生懸命頑張っておられるし、とにかく
今年一杯は頑張ってみようって彼と話し合っています」と笑っていました。大きな難山
を乗り越えたマスターの気持ちと、彼を応援する人たちの気持ちがささやかに通い合う
雰囲気です。その雑音の中にまじっていると、私の気持ちの切り替えも叶うようです。
2022年10月07日 川口 翠