2022/10/04 16:52
会計センス⑤ 悔しくて
新聞に超知識人Ñ氏と新聞社の対談が非常に大きく載っていました。
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円安という『麻薬』 弱めた成長力 大規模な金融緩和
私なりに文面をこのように分類チェックしてみました。
◉『円安』たるもの、そもそもそれはどうして発生したのか。
◉そこにどんな問題があったのか。どうするべきだったのか。
◉『円安』や物価高に歯止めをかけるため、日本はどんな対応がとれるのだろうか。
◉政府と日銀の行った、ドル売り円買いの為替介入について。
◉政府日銀は今後どういう政策をとるべきか。
◉来春の日銀総裁の交代について
Ñ氏の結論はこのように受取りました。
◎家計や、原価の高騰を販売価格に十分転嫁できない企業、を苦しめている輸入物価の
高騰の要因のおよそ半分が円安の影響である。
◎円安を食い止めるためには日銀は、日本の金利を上げるしか方法はない。
◎政府が為替介入をしたのは、円安を止めるためだが、日銀は反対の政策をして効果を
打ち消している。介入の効果は一日しか持続しなかった。
◎円安が更に進むと、非常に恐ろしいことに、家計が円建ての預金でなくドルなど外貨
建の資産を持たなくてはならないと思うようになるかもわからない。そうなれば際限
なく円安は進む。
◎安倍のミクスで本当に必要だったのは、手術をして高度な産業構造に変えることだっ
たのに円安という麻薬を打ち続けた。結果日本の成長力は弱くなってしまった。
◎政府、日銀は今後どういう政策をとるべきか。金融緩和を転換すべきだが、金融政策
には限度があり、企業の生産性を高めることまではできない。政府にやって貰うので
はなく、企業が努力しなければならず、私たちがどうするかが問題。政府は、
企業が経済が変化するのに障害となる、既得権益の排除に取り組むべき。
◎今のままでは日本経済に厳しい未来が待っている。
◎日銀の新総裁に誰がなるのかは、日本経済の運命を決する。日本の通貨である円の価値
を守るという中央銀行の最も重要な任務、中央銀行の原点を尊重する人物が、新総裁に
就かれることを切望する。
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N氏の考察から私は、大局的な面からきちんと教えられることが多くありました。また
自分が辿った道と重なるところが多いとおもいました。
私はずっと会計というテーマを根底に、国の財政の健全化を訴えてきました。時流に逆
らいながら、反応も乏しい中、複式簿記の大切さを躍起になって説き、中小会社や個人
事業者のための会計ソフトの開発まで突破してしまいました。
視野も狭い私、物の見方も偏ってはいないか、などと不安もありました。そうした中で
辿り着いた自分の持論が、あまりにも現実そのものなので、正直、空恐ろしい。
しかし、円安とか、物価高とか、これから起こるであろう苦難の真因が、やはり国の過大
債務にあることは、はっきりしました。もう小手先ではどうすることもできません。
●私はとても悔しいと思っています。このようにアベノミクスに対峙できる意見は
多くあったと思います。なぜ今になっていろいろ出てくるのかということです。
後出しであることが悔しいのです。安倍氏の生前にもっと勇気をもつて反対の論陣
を張っていれば、国を救うことができたかもしれません。
結局、国民すべての責任であるということを自覚しなくてはならないでしょう。
2022年10月04日 川口 翠