2022/09/23 22:14

ことば➁

 安倍元首相が亡くなってから、いろいろのことばが飛び交う中で、私はこんな記事を新聞で

拝見しました。2022年9月20日朝日新聞朝刊です。女性の小説家の方です。お許しを得て

いませんが、ごく一部を抜粋させて頂きます。国葬を考えるテーマの対談です。

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岸田首相は国葬を早々にきめました。どのように感じましたか?

 ………岸田首相はとっさに『民主主義の敵による暴力によって倒れた偉大な政治家』を演出

しようとしたのではないかと思います。『偉大な政治家が自民党にいた』ように『見せる』

ための国葬。それが最初のアイデアではないかと。

……… 何もうまくいっていないのにうまくいっているように『見せる』ことは安倍元首相の

言動の本質と感じている。それを岸田首相も引き継いでいる………

………今回は『見せる』ことに失敗しただけでなく、自民党の『中身のなさ』『空虚さ』が

白日のもとに晒された。――――――――――――省略―――――――――

………私には自民党自体の葬儀のように見えてきます。――――――――――

歴史を振り返れば、人々は大きな空洞の後に別の何かを求めてきました。自民党に代わる

勢力もない中で、この空洞がどこへ向かうのか、国民には、今が正念場であり、そして今が

危ないとも言えるのかもしれません。

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私には、どんな論評よりも、正しく胸に届きました。勇気あることばの力に感銘をうけました。

そして私も共鳴しました。少なくとも私には国の財政再建については、自民党は何もしてこな

かった、やる気がなかったと思えます。現状を冷静に見るとき、政府も日銀もなすすべもない

様子をつぶさにみます。著者の言われるように、私たちは今が正念場であり、大事な時だと心

からそう思います。今日923日の朝刊には、『原子力の制作変更 経産省で審議開始』

『参院選で大勝 一気に原発回帰 「検討加速を」 首相が指示』とありました。

国連総会では高揚した様子で演説する岸田首相がうつります。

私はなぜか岸田首相に危うさを抱くことを、苦しくも、切なくも思います。

2022923日   川口 翠