2022/09/03 22:25
何気なくテレビのスイッチを入れたとたん、目に飛び込んできたのは『日本金融崩壊』
の文字。ギョッとしたとたん、電話のベル。難聴の私は咄嗟に習慣でテレビをきって受話器
を取り上げました。それから一日中その文字は語られることもなく見ることもありません。
一体どこの放送だったのか……。とうとうわからずしまい。円安は140円を超えてどこ迄
下がるのか。そのことはどのテレビ局でも深刻にとりあげられていました。
反対に、気を取り直すように大手製造業などの過去最高の利益が取りざたされていて少々
頭が混乱します。いわゆる円安によって潤う業種のお話になるのでしょう。たしかに経済
には損得の両面があります。日銀の黒田総裁も岸田総理もそれによって、ほっとした思い
だったのではないでしょうか。たしかに私も、生々しくほっとしました。これから暫くは
そういう『所得』によって日本は支えられるのかもしれません。
けれど冷静に考えてみましょう。円安によって利益を稼ぐ業種は、全体のどれくらいに
あたるのか。三分の1か四分の1かわかりませんか、とにかく部分的です。根本的に必要
なのは、持続可能な信頼できる所得ではないか。国民消費高ではないでしょうか。一面
から言えば1億の国民が担う財源だと私は思います。しかしその国民が、国民消費高を
高めたくても今どんなに苦しんでいるか。どんなに家計の熾烈な物価高に耐えているか。
政府も、日銀もなすべきことはわかっていても、手がだせない。身動きできないでいる
現状です。根本理由はなんと理屈をつけようと、財政政策の失敗による国の過大債務だ
と私は思います。とうとうここまで来てしまったかと悔まれてなりません。
110兆の予算。工夫して抑えに抑えた金額で、すぐに補正予算だと言いだすではないか
と思いつつ、歳入は60兆位なのかしら? なんとすごい数字かと絶句するばかりです。
私達にもだんだんこの国の本当の姿がわかってきました。どうすればいいか。私が願う
のは政治と国民の信頼関係です。まず政治の方からそのための努力をしてほしい。私達
も便利を追求するあまり、そして無関心だったために、失ったものは大きい筈です。
知恵とか、考える力とか。それらを惜しみなく使って再建に参加するほかに方法はない
のではないでしょうか。 2022年9月3日 川口 翠